「ユダヤ人には弱く韓国には意地悪い産経」

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ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター:SWC」(本部・米ロサンゼルス)の産経が掲載した広告への抗議に関して。
この前取り上げた
ユダヤ系団体 「サイモン・ウィーゼンタール・センター」の不自然な抗議 - 天晴!にっぽん
よりも分かりやすい記事があったのでご紹介。


http://blogos.com/article/100937/?p=1

木走正水(きばしりまさみず)
2014年12月10日 12:28

一つの抗議文から「ユダヤ人には弱く韓国には意地悪い産経」記事
が報道されるまでの流れを味わう

 産経新聞に掲載された広告をめぐり、ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副所長は4日(日本時間5日)、産経新聞社の熊坂隆光社長宛てに抗議文を送付しました。

 抗議文の原文はこちら。

Letter to Japan: Why we mourn, what we lostby Rabbi Abraham Cooper

http://www.jewishjournal.com/opinion/article/letter_to_japan_why_we_mourn_what_we_lost#.VHObL2MeffA.email


 問題となったのは、11月26日付の産経新聞東海・北陸版に掲載された3冊の本についての宣伝広告で。本の著者はリチャード・コシミズという自称ジャーナリスト兼活動家で、日本ではほとんど知られていない存在です。

 コシミズ氏は1冊目の本で、2011年の東日本大震災は、「ユダヤの独裁国家」アメリカが、日本経済を破壊しドルを防衛するため、海中深くで原爆を爆発させ、意図的に引き起こしたと主張。2冊目では、ホロコーストはイスラエル建国のため企てられたでたらめと説き、3冊目で、2012年の安倍政権の選挙は、世界を支配するためのユダヤ人の計画の一部であったと記しているといいいます。

 このニュースはまずWSJやAFPなど海外で大きく取り上げられます。

 これに対して産経新聞の対応は迅速でした。

 5日付けにてお詫び記事を掲載します。

  米ユダヤ系団体、本紙掲載広告に抗議 産経・熊坂社長「おわびします」
2014.12.5 20:39更新  

【ロサンゼルス=中村将】
 産経新聞に掲載された広告をめぐり、ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副所長は4日(日本時間5日)、産経新聞社の熊坂隆光社長宛てに抗議文を送付した。


 同センターが問題視しているのは、11月26日付の東海・北陸版に掲載された「ネットジャーナリスト リチャード・コシミズがユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴く!!」と題した全面広告。コシミズ氏の寄稿とともに、発売中の3冊の本を紹介した。


 これについて、クーパー氏は「これらの本はユダヤ人に対する危険極まりない虚言の流布」と指摘。「アンネ・フランクや150万人のユダヤの子供たちを含む600万人のユダヤ人が欧州で犠牲になった第二次世界大戦のナチスによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を否定するばかりか、著者は、ユダヤ人がマスメディアを操作し、非道な目的を達成するために世界の出来事や経済をも操っていると断言した。9・11(米中枢同時テロ)の惨禍から、日本の(東日本大震災の)津波の悲劇、北朝鮮の脅威にいたるまで、何らかの形でユダヤ人とイスラエルに関連づけている」と批判した。


 その上で、広告を掲載した産経新聞に対しても、「真実を追求するジャーナリズムの責任を売り飛ばした」とし、「読者とユダヤコミュニティーに謝罪する義務がある」と抗議。「産経新聞に対し、あらゆる集団に対する憎悪を普及させる目的で紙面が使われることが二度とないよう、広告の掲載方針を見直し変更するよう強く要請する」としている。


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 産経新聞社、熊坂隆光社長のコメントは以下の通り。


 問題の広告が産経新聞11月26日付東海・北陸版(約5千部)に掲載されたのは事実であり、12月4日付でサイモン・ウィーゼンタール・センターのエイブラハム・クーパー副所長からの抗議文を受け取りました。


 掲載に至る経緯は現在、社内で調査中ですが、広告審査手続きに欠陥があったことは明らかです。こうした内容の広告が掲載され、読者の手元に届けられてしまったことは極めて遺憾であり、読者とユダヤコミュニティーの皆様に深くおわびいたします。


 もとより、産経新聞社はナチス・ドイツによるホロコーストを許しがたい憎むべき犯罪ととらえておりますし、いわゆる謀略史観的考えにくみするものではありません。サイモン・ウィーゼンタール・センターの抗議を真摯(しんし)に受け止め、誠実に対応するとともに厳正に対処します。


http://www.sankei.com/smp/world/news/141205/wor1412050043-s.html


 これを受けて「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は産経新聞から謝罪があった旨、早速掲載しております。

Japan / 07-12-2014

Japan newspaper apologizes for running antisemitic ad

http://antisemitism.org.il/article/92631/japan-newspaper-apologizes-running-antisemitic-ad


 記事には産経新聞社、熊坂隆光社長の謝罪文(原文)のリンクまでついています。

Kumasaka’s letter can be found by clicking here.

http://www.wiesenthal.com/atf/cf/%7B54d385e6-f1b9-4e9f-8e94-890c3e6dd277%7D/SANKEI%20SHIMBUN.PDF


 産経新聞が謝罪を掲載した同日、早速 朝日新聞 は速報します。

 ロサンゼルス支局を動かしてクーパー副代表の「非常に強い怒りを覚える」とのコメントをひろっています。

 産経新聞に反ユダヤ本の広告 米人権団体抗議受けおわび

ロサンゼルス=平山亜理
2014年12月5日21時12分


 産経新聞が先月、ユダヤ人を中傷する本の全面広告を出し、米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)が4日、産経新聞に抗議していたことがわかった。産経新聞の熊坂隆光社長は5日、おわびするコメントを出した。


 11月26日付の同紙東海版・北陸版(約5千部)に掲載された広告は、リチャード・コシミズ氏の3冊の本を宣伝する内容。「ホロコーストはイスラエル建国のためのでっち上げ」「ユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴く!!」などと書かれている。


 これに対して、同センターのエイブラハム・クーパー副代表は4日、産経新聞の熊坂社長に、「ユダヤ人についての危険な作り話を広める本を宣伝する決定をしたことに抗議する」などという内容の手紙をファクスで送った。また、「読者とユダヤコミュニティーに謝るべきだ」などと謝罪も求めている。


 クーパー副代表は朝日新聞の取材に、「非常に強い怒りを覚える。日本の大きな新聞の全面広告は影響力もある。広告を掲載する際のルールを定めてほしい」などと話した。


 抗議を受け、産経新聞は5日、「こうした内容の広告が掲載され、読者の手元に届けられてしまったことは極めて遺憾であり、読者とユダヤコミュニティーの皆様に深くお詫(わ)びいたします。抗議を真摯(しんし)に受け止め、誠実に対応するとともに厳正に対処します」などとする熊坂社長のコメントを出した。(ロサンゼルス=平山亜理)

http://www.asahi.com/articles/ASGD556DGGD5UHBI011.html


 この後、本ニュースは毎日新聞や地方紙などが後追いして、ネットでも拡散していきます。

 そして10日付け韓国・中央日報が取り上げていきます。

 【取材日記】ユダヤ人には弱く韓国には意地悪い産経
   2014年12月10日07時55分

    [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


 日本の産経新聞が独ナチ政権のユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を偽りだと主張した本の広告を載せ、ユダヤ人団体の抗議を受けると、速やかに謝罪した。新聞に謝罪文を掲載しただけでなく、社長名義の謝罪書簡を米国のユダヤ人団体に伝えた。


 産経新聞は先月26日、東海・北陸地域に配達される新聞に「ネットジャーナリストがユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴く!」と題した全面広告を掲載した。広告ではブロガーのリチャード・コシミズの寄稿と彼が書いたユダヤ人批判書籍3冊に関する紹介が書かれている。「ホロコーストは神話であり、2011年の東日本大震災は米国の軍部によって引き起こされた」というあきれる主張とともに「チャーチル、ルーズベルト、スターリン、ヒトラーはユダヤ人だった」という内容もある。


 これに対し国際ユダヤ人人権団体サイモン・ヴィーゼンタール・センターの副所長でありラビであるエイブラハム・クーパー氏が4日、産経新聞に抗議書簡を送った。書簡は「サイモン・ヴィーゼンタール・センターは最も強い語調で、産経新聞が真実を追求するジャーナリズムの責任をわずかなお金で売り飛ばしたことに抗議する。あなたたちの新聞がこのような中傷謀略の根拠のない主張に紙面を提供し、憎悪と反ユダヤ主義を正当化している」と批判した。


 すると産経新聞は6日の新聞に熊坂隆光社長の謝罪文をのせた。産経新聞のワシントン支局長らがクーパー氏を訪ね、熊坂社長の謝罪書簡を伝えた。書簡には「抗議を真摯に受け止め、誠実に対応するとともに厳正に対処する」と書かれていた。


 産経新聞の謝罪は普段の韓国に対する報道態度とは対照的だ。産経新聞は韓国に対し「言いつけ外交は民族的習性のせい?」「慰安婦は死んでも反日道具」という扇動的な主張をしたこともある。広告でもなく記事を通じてだ。


 産経新聞はユダヤ人団体の抗議には礼儀をわきまえて謝罪しながらも、韓国人を刺激することは何ともないようだ。米国でユダヤ人は政治・経済・言論・文化などで強大な影響力を行使する。力のあるユダヤ人には弱いが、隣国韓国の傷口にはむやみに塩を塗る理由が知りたい。産経新聞の「韓国たたき」で日本が何を得るのかも疑問だ。韓国を小人国にすれば日本が大人国になるわけではないからだ。大人国は他国の大統領に対して無礼に「独身大統領の男女関係報道が名誉毀損なのか疑問」というメディアではなく、一貫した基準と品格を持つメディアが存在する国から出てくる。


http://japanese.joins.com/article/781/193781.html?servcode=100§code=120&cloc=jp|main|top_news


 うむ、産経の体質を痛烈に批判しているわけです。

産経新聞はユダヤ人団体の抗議には礼儀をわきまえて謝罪しながらも、韓国人を刺激することは何ともないようだ。米国でユダヤ人は政治・経済・言論・文化などで強大な影響力を行使する。力のあるユダヤ人には弱いが、隣国韓国の傷口にはむやみに塩を塗る理由が知りたい。


 うむ、一つの事象がどのように拡散報道されていくか、メディアリテラシー的には教科書に乗せられるような典型的な報道事例と申せましょう。


 今回の各報道等の流れを整理しましょう。

 ・産経新聞が反ユダヤ本の広告を掲載(11月26日)

 ・ユダヤ団体が強く抗議(12月4日)

 ・主に海外メディアが速報(12月4日~)

 ・産経新聞が謝罪文掲載(12月5日)

 ・朝日新聞が産経謝罪を拡散報道(12月5日)

 ・国内他メディアがこれに追随(12月6日~)

 ・韓国メディアがこれを利用して産経批判(12月10日~)


 産経広告が反ユダヤのトンデモ本の広告を載せて謝罪に追い込まれたわけですが、最終的には韓国紙にて「ユダヤ人には弱く韓国には意地悪い産経」(中央日報)との記事にまで、伝言ゲームよろしく拡散・伝播していくわけです。

 こうして海外の一つの抗議文から韓国にて「ユダヤ人には弱く韓国には意地悪い産経」という結論ができあがるわけです。

 興味深いことです。


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南鮮のメディア(に限らず)+ 朝日(チョウニチ)新聞 + ある一つのユダヤ系団体SWC

共通する点は、過去における日本の正当性の認識が広まりグローバル化・定着してしまうと、「いずれは自分たちが存続の危機に直面することになる」ということだろう。



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